「食える子を育てる」と題した30ページを越える週間東洋経済の特集記事。
2020年が教育界の関ヶ原の戦いだそう。なぜなら大学入試のシステムが変わるからです。2020年というのがひとつのキーワードになっていることは確かだと思います。
中学生の保護者の方にとって他人事ではない、お子さんの教育事情に関わるヒントがあるかもしれない記事なので、突っ込みを入れたり、いいなぁと思うこと(もちろんあればです(笑))や自分の意見を紹介したいと思います。
まず最初の5ページ程を読んでの感想です。
内容は、
・イントロダクション(2020年は教育界の”関ヶ原の戦い”)
・現在は奈良県の高校の校長さんの藤原和博氏へのインタビュー
イントロダクションは、歴史や社会的背景、それと現状を知るためには、とてもよくまとまっています。
話を分かりやすくするために、2つの価値観を対立させる形で話が進んでいきます。それは、
学力 vs 考える力
です。この対立が以降も、それからインタビュー記事でも別の言葉で置き換わりながらも、何度も出てきます。
学力重視 vs 食える力
情報処理能力 vs 情報編集能力
などなどです。
学力という言葉はいい意味でも悪い意味でも用いられる言葉なので、ちゃんと定義しておく必要があります。この記事の中でも定義されています。
学力:大量の知識を記憶し、その記憶の正しさで評価されるもの
考える力:正解がない問題や未知の状況に対しても論理的に判断を下す力
「どちらも実社会では必ずしも対立せず、どちらも必要だと、誰もが体験的に知っているはず」と記事でも触れています。しかし、どちらを重視するのかで意見が分かれていきます。
わたしは、前回もこの記事に関わるブログを書いたときに言いましたが、「自分で考える力」が大切だと思っています。ということは、この2つの価値観の対立で言えば、「学力」よりも「考える力」を重視する立場にいるわけです。でも自分で考えるにはある程度の知識が必要だとも考えます。
現在は、ゆとり教育失敗の反動で脱ゆとり教育の最中にあるので、高い偏差値が全てとの風潮へと揺り戻された感があります。しかし、少なくともわたしは、社会に出た後に「知っているか知らないか」よりも「どう考えるか」の壁にぶつかるほうがはるかに数が多く、問題になることを「経験」しています。知っているか知らないかは、いまやGoogle先生に聞けば、大体のことは分かります。
少子化になっていく日本では、エリートだけでなく、広く多くの人に、問題にぶつかったときにどう考えるか、をしていってもらわないと世の中が上手くまわっていかなくなります。
でも・・・・こういうことは、結局、現在の子ども達にはなんの関係も責任もありません。
ゆとり教育が失敗したので脱ゆとりとか。
少子化になっているから、高度人材の育成をしなければ、国際競争に負けるとか。高い偏差値がより良い収束と幸せな人生につながるという発想から抜けきれないとか、云々…。
いろいろありますが、この様な記事やインタビューでは、「どういう世の中になってほしいか」、「どういう世界が素晴らしいと思っているのか」という考え方がハッキリと現れます。これはわたしも含めてです。「こういう教育がいいのだ!」などといった教育に関する意見の多くは、その語り手の「経験」に基づくことが多いです。
杉並区の和田中の元校長として有名な藤原和博さんのインタビュー記事も読みましたが、とにかく話が上手なので、なるほどそうかなぁ~と思ってしまうところがあるかもしれませんが、、、
結果、話として出てきたのがスマホを使って双方向の授業とか、アクティブラーニングはゆとり教育の別バージョンとか、大学入試が変われば小中高の授業が変わっていくとか、個人的にはいろいろ引っかかるところがあります(笑)。
影響力が大きい方の意見ですから尊重はしますが、とりあえず、先に読み進めたいと思います(笑)。
科目: 英語・数学