数学の文章題ではよく割合に関する問題が出されます。定価1000円の3割とか、250人の60%とか、食塩水の濃度の計算とか…。しかしながらこの割合の計算が苦手な人が結構います。というわけで今回は割合のコツを考えてみようと思います。
1. 割合とは?
割合とは何かというと、一言で言えば
$$ 割合 = \frac{部分}{全体} $$
という式で計算したものが割合です。例えば100人の中の50人の割合を求めたい場合は、全体が100人で部分が50人と考えると割合は
$$ \frac{50}{100} = \frac{1}{2} = 0.5 $$
となります。ではこの割合とは一体何を表しているのでしょうか?
割合とは全体を1としたときに部分はどれくらいあるかを表す値です。上の例では、全体である100人を1としたとき、部分である50人の割合が0.5なるので、ちょうど半分であることがわかります。
この例では切りが良い数なので割合を使わなくてもすぐ分かってしまいますが、割合は全体と部分が複雑な数のときにその本領を発揮してくれます。例えば、2580人中の774人と言われたとき、774人は全体に対してどれくらいの人数かすぐにはわかりません。そこで割合を計算すると
$$ \frac{774}{2580} = 0.3 $$
となり、全体が1に対して0.3の人数であることがわかります。このように全体を1にすることで部分の量がどれくらいあることがわかりやすくなるので、様々な場面で割合が用いられます。
さてこの割合の計算ですが、速さ、距離、時間の関係のように、部分と全体を
$$ 部分 = 割合 \times 全体 $$
$$ 全体 = \frac{部分}{割合} $$
という式で求めることが出来ます。例えば、全体が2000人でその中の割合が0.4の人数を求めたいときは
$$ 2000 \times 0.4 = 800 $$
となり、部分が800人であることが計算できます。
2. 百分率と歩合
さてここで、割合に関する値としてよく使われる値として百分率と歩合というものがあります。それぞれどのような値かというと
$$ 百分率 [\%] = 100 \times 割合 $$
$$ 歩合 [割] = 10 \times 割合 $$
であり、単位は”%”と”割”で表されます。歩合の単位が”割”という漢字なので、さきほどの割合と歩合を勘違いすることがありますので注意が必要です。例えば割合が0.6のとき百分率と歩合で表すと
$$ 0.6 = 60\% = 6割 $$
となります。この例を見るとわかるように、百分率と歩合は割合から簡単に求められ、100倍、10倍しただけの値となります。では百分率と歩合は一体何を表すのでしょうか?その答えは、百分率は全体を100としたときの部分の量、歩合は全体を10としたときの部分の量を表す値となります。どちらも割合と同様に全体の数をシンプルな数に置き換えることで部分の量をイメージしやすくすることが目的で、百分率は古くから海外で、歩合は日本でよく使われいています。
上記の式はそれぞれ、割合から百分率と歩合を求めましたが、以下の式で百分率から割合、歩合から割合を求めることが出来ます。
$$ 割合 = \frac{百分率}{100} $$
$$ 割合 = \frac{歩合}{10} $$
この式と割合の式を組み合わせることで、割合の計算は全て行うことができます。例えば、1250人の46%を求めたいときは
$$ 部分 = 割合 \times 全体 = \frac{百分率}{100} \times 全体 = 1250 \times \frac{46}{100} = 575 $$
となります。また4200円の3割を求めたいときは
$$ 部分 = 割合 \times 全体 = \frac{歩合}{10} \times 全体 = 4200 \times \frac{3}{10} = 1260 $$
となります。
どうでしょうか?割合、百分率、歩合が少しでも理解できたでしょうか?日常生活でも必要になる計算ですので、ぜひ覚えておきましょう!