英語を教えることとTOEIC

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こんにちは、ソラオト英語担当の奥野です。

(注:写真は数学をみっちり指導する寺田です)

先日、「中学校の先生の英語力はどれくらい?」という記事を、数学担当の寺田がブログに書いていましたが、英語担当の私だとこのニュースをどう見るかということをお話してみたいと思います。結果、同じような意見になるかもしれませんが…。

このニュース、簡単に言えば、京都の公立中学の英語の先生がTOEICを受けたら、平均点が580点で、最低点が280点だった!という、平均点はまだしも、最低点が280点というのがセンセーショナル!ということですよね。そして、目標だった730点以上が2割ということのようです。ちなみにTOEICの満点は990点です。

私のTOEICは915点なのですが、世間で英語を教えることを仕事にするには、900点は越えないと!という暗黙の了解みたいなものがあります。これはどこからそういうことになっているのかはよく分かりません。また、商社に勤めるには730点を越えないといけない、とよく言われます(これはひょっとすると英検準1級相当という意味かもしれません)。いずれにせよ、英語を使って「円滑に」仕事をしていくには、TOEICは730点、つまり英検準1級は少なくとも取らないと話にならない最低点ということのようです。

結局、中学校の英語の先生が平均点580点って悪いよね!という記事だったわけですが、恐らく反対の意見が出て来るだろうと思っていました。すると次のような記事がやはり出ました。

中学英語教員、TOEIC「合格」わずか 疑問も

記事に出ていた英語教育の専門家の意見として、

「点数が高いから良い先生とは必ずしも言えない」

ということのようです。さらに、

「英語で授業を教えるには相当なスピーキングと指導力が必要で、授業研修に一層力を入れる必要がある」

だそうです。

解釈すると、TOEICはリスニングとリーディングのテストでスピーキング力は測れないし、最終目標はTOEICで良い点を取ることではなく、「英語で良い英語授業をする」ことなので、この結果でいろいろ言ったところで意味はないでしょう。ということだと思われます。

現場の先生の意見としては、

「英語指導以外の業務が多い。授業の準備に満足な時間が割けない教員も多い。」

という、日々雑用がいっぱいで大変なんです!という意見。

「英語力を上げるなら試験勉強ではなく、ネイティブスピーカーを囲み少人数で英語を学べるような機会を作ってほしい」

とも言っているようです。ちなみに京都の公立の先生は、研修の費用も、英検の受験費用も教育委員会が支払っているようです。

 
さて、私の意見(雑感)を僭越ながら?言わせていただきましょう。

1. スピーキング力とTOEICの点数

まず、

「英語を話せる人はTOEICの点数はどうやっても高くなります」

TOEICはスピーキング力を直接測るテストではないですが、話せる人は点数が自然と高くなるだろうことは、分かって頂けると思います。

逆を言えば、TOEICで点数が低い人は、どう転んでも話せないと思います。

つまり、

英語で英語の授業ができるか?=TOEICのテストで確認

というのはある程度成り立つと思います。

と言うと、「点数高くても話せない人がいる。」という意見が出るでしょう。

「まぁそれは高得点を取ってから考えましょう。」と言いたいです。せめて、リスニングとリーディングを鍛えてからでも良いのは?と思います。

 
2. 教え方の上手い下手とTOEICの点数

教え方の上手・下手は、TOEICの点数が高くても、低くても起こることなので、TOEICの点数とはそもそも関係のないことだと思います。ということは、点数が高いから良い先生とは限らない、というのはそりゃそうでしょう、としか言いようがないです。「TOEICの点数が良いかどうか」と「良い先生かどうか」という評価軸がそもそも同じ方向ではありません。どういう英語教育を良しとするのか、によってこの軸は決められるものなので、「点数が良くても、教え方が下手な可能性がある」というのは、意味の無いコメントと思います。良い先生とは一体どういう先生なのでしょう?良い英語教育とは一体どういう教育なのでしょう?

先にも言いましたが、世間で英語を教えることを仕事にしている者に取っては、TOEIC900や英検準1級などの資格のようなものは、免許のようなものです。最低限必要と考えられているものなので、この記事が話題になるということは、英語の教員免許が世間的には機能していないと見られており、TOEICに取って代わられようとしているということを意味しているのではないかと感じます。つまり、その評価軸が変わろうとしているということです。

 
3. 学校の先生は忙しい

「雑用が多く、勉強時間がない」&「ネイティブとの会話練習をさせてくれ」というのは確かにそうなのかもしれません。学校の先生方が忙しいというのは、良く聞く話です。でもこれは厳しく言えば、ただの言い訳とも取れます。中高生が「部活が忙しくて勉強できない」と言ったらどうしましょう。それと、ネイティブとの会話練習をさせてくれ、という態度。個人個人でそういう場を作る・得る努力はされているんでしょうか、疑問は残ります。

まとめとしては、どういう英語教育が良いとされているのか?受験用英語?TOEIC用英語?英検用英語?

どうやって良い教育と評価するのか?に尽きると言うことではないでしょうか。

また別の機会に、僕がどういう英語教育を良いと考えるか、をお話したいと思います!!(≧∇≦)/

ソラオトの個別指導
科目: 英語・数学
月額: 15,000~ (1教科, 1回80分, 月4回の場合)
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